■ガラスの中の窯を探れ!

 上信電鉄の上州福島駅で下車して、駅前の道を南へ。広い通りをクランク状に横切り更に南へ進み10分弱、コンビニの信号を右折すると、十能瓦と呼ばれる屋根瓦を焼く工房や工場が点在するエリアだ。道は左へ緩やかにカーブする本線と直進する枝道に分かれ、枝道の方へ直進すると右手に神社の杉林、左手には瓦を焼く工場がある。その一角にガラス張りで一際目立つギャラリーが現れた。ガラス張りなので室内が良く見える。すぐ中には細いトロッコのレールと台車に椅子を乗せたような2名乗りの人車?、そして煉瓦積みの窯が程よい加減の照明で綺麗に照らし出されていた。
 ここは瓦を焼く工房が開いた無人のギャラリーで、誰でも気軽に入ることができる。中には煉瓦積みの窯を展示のメインにして焼き物としての瓦やそれを焼く窯の説明などがある。トロッコのレールは窯の奥まで一直線に延びていて、人車は見学者を乗せて押して動かすようになっていた。窯の奥行きは意外と長く、20メートルくらいある。これは本来、窯で焼いた製品の出し入れに使うトロッコのもので、それを見学用人車に改良したものだ。
 軌道は単純に直線の往復運転なので、長いホイールベース、小径車輪で鋼製の2軸車だ。どこか地元の鉄工所あたりで製作したのだろうか?細いレールで軌間は400mmである。
 ギャラリーの外も見学でき、建屋横から入ると窯の横の部分があって外側を直接見ることができる。そしてそこには瓦を載せた台車が2台置いてあった。やはりホイールベースの長い鋼製2軸台車だ。こちらも忘れずに見て頂きたい。
 尚、人車に乗って見学したい方は押し手が必要なので2名以上で訪れたい。またギャラリーには駐車場はないので向かいにある神社の駐車スペースの利用が良さそうである。

《データ》
■笹森瓦の里ギャラリー瓦窯 [現存]

◇群馬県甘楽郡甘楽町福島1459◇上州福島 歩15◇土曜日の日中のみ公開◇入館無料
 

[調査日:2011.08.20]



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