■重要文化財でトロッコ跡を探れ

 街道沿いに残る店蔵を有する堀口家住宅は文化庁の有形文化財に登録されている由緒ある建物だ。以前は金物屋を営んでいたが1967(昭和42)年に廃業。現在は街道を行き交う車を見守るように静かに佇んでいる。蔵の隣の建物が旧店舗跡でこの中から裏の倉庫にかけて軌道跡が残る。軌道跡の一部は部屋に改装されて軌道跡が途切れるが、裏庭に出ると再び軌道が残存している。写真は建物の裏手から倉庫方向を撮影したものだ。距離は部屋に改装された部分を含めて30〜40メートルといったところか?軌間は508mmであった。
 当日、家の方に少しお話しを伺った。トロッコは金物屋時代に使われたもので、炭などの燃料も扱っていたため重量物を運ぶのに重宝したとのこと。
 外から建物内のトロッコは見えないが、街道に面した建物前に文化庁が設置した有形文化財登録の碑が目印だ。トロッコの敷設時期は不明であるが、文化庁のデータによれば建物は明治29年の築である。

《データ》
■堀口家住宅 [廃線]

◇群馬県渋川市渋川上ノ町2335◇渋川 歩30
◇残存区間:旧店舗内・中庭〜旧倉庫◇残存距離:0.03km◇軌間:508mm◇敷設日:不明◇廃止日:1967年
 

[探索日:2012.08.24]




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