■資料館の展示車輛を探れ!

 栃木県宇都宮市大谷地区は大谷石の産地で知られる。今では採掘している業者は僅かになってしまったが、かつては大谷地区一帯に多数の業者が採掘していて、坑内掘りで採掘された大谷石の一部はトロッコで坑外に搬出された。大谷石を運んだトロッコ軌道は今でも採掘場の地下に眠っている所もあるらしいが、その全容は掴めていない。そんな大谷地区で唯一かつての採掘場跡を見る事が出来る施設が「大谷資料館」だ。2011年の震災の後、修復と安全確認の為に暫く休館していたが2年後の2013年に再開。ようやく探索の機会を得た。
 宇都宮駅から大谷地区へ行くバスは比較的便数もあり、自家用車を使わなくても容易に探索可能だ。宇都宮駅からバスに乗って市街地を抜ける。途中、名門作新学院を過ぎると郊外感が漂ってくる。やはり大谷石の産地だけあって所々に大谷石で出来た蔵などを見ながら進む。沿道に石材店が多くなって来ると大谷地区だ。大谷景観公園近くのバス停で降りれば資料館までは歩いて数分の距離である。
 標識に従って歩くと山に囲まれた資料館のアプローチに入る。途中、古いトラックなどもあって怪しげな雰囲気を醸し出している。そしてその奥に現れるのが大谷資料館である。入口で入館料を払って早速中へ。
 主に館内は大谷石や採掘に関する資料を展示するスペースと実際の地下の採掘跡を歩くコースの2つに区分される。まずは展示スペースから。ここには数ある展示品の中に木製のトロッコ台車がある。ここに来た目的はコレと言っても過言ではないのでとりあえず最初に押さえたい。他にも石を切断する機械などがレールの上に乗っているので興味を引く。
 展示スペースに続いて地下の旧採石場へ。こちらはテレビで紹介されたり、コンサートなどのイベントで使われたりで有名であるがトロッコ系の展示はない。それでも神秘さと中々の迫力で一見の価値ありである。少々時間を要するが省略せずに是非回って頂きたい。
 尚、展示室に採石場の一部を再現した模型があり、その中にトロッコ軌道が再現されていた。資料館近くの別の坑口から比較的浅い場所にあるようだった。こちらも見学コースとして整備を望みたいところである。


《データ》
■大谷石資料館 [保存]

◇栃木県宇都宮市大谷町909◇宇都宮 バス30(資料館入口)→歩すぐ◇9:00-16:30・木曜日◇\600◇P
 
《車輛データ》
◇01:宇都宮石材軌道(栄商店?) FC(木製平台車 610mm)

◇参考文献:TF485・全国保存鉄道U・全国軽便鉄道・RF555・帝釈人車鉄道・RF666

[探索日:2013.09.06]




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