■煙突へ続く一筋の廃軌道を探れ!



 東武電車が藤岡駅に到着する少し手前、右側の車窓に鬱蒼と茂った林があって、その中に一本のレンガ煙突が見える。ここ岩崎醤油の目印だ。誰でも迷わずに辿り着ける。
 表通りに面した事務所横の門から奥の煙突下まで延びる一筋の軌道は数ある廃軌道の中でも印象的な光景だ。現在、醤油工場は操業しておらず、軌道も既に使用されていない。事務所に女将さんらしき人がいたので挨拶をして写真撮影のお願いをした。写真撮影は快く許可していただいたが、工場の建物は朽ち落ちる寸前で、危険なので建物の中には絶対に入らないで欲しいとのとこ。敷地の中で何枚か写真を撮った。車輌は残っていないようだが、軌道跡は短いながらも、途中の微妙なカーブ、レンガの煙突、崩れそうな建物など、いい感じの廃線である。帰りがけ、お礼を言いにもう一度事務所をのぞいた。「ゆっくりお茶でもどうぞ・・・」笑顔でお茶をすすめてくれた。軌道の復活は難しいと思うが、せめてこの廃線がいつまでも残ることを願うばかりである。

■岩崎醤油 [廃線]
◇栃木県下都賀郡藤岡町大字藤岡1843◇藤岡 歩5
◇区間:工場敷地内◇距離:約0.03km◇軌間:508mm◇敷設日:不明◇廃止日:不明


 

[調査日:2008.11.04]


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