■茨城町の機材センターを探れ!

 茨城町の資材置場に3台の加藤が保存されている…、「鉄道番外録3」の情報を元に捜索を開始した。保存している会社の名前は分かっているが、現代のようにインターネットが発達していなかったので頼りになったのは「電話帳」と「住宅地図」である。幸い自宅近くの図書館には全国の電話帳が置いてあったので早速茨城町の「蔦屋建設」を調べてみた。すると本社と機材センターの2件の記載があった。当然、機材センターが本命であった。後はその場所である。流石に住宅地図は国会図書館まで行かねばならず面倒だった。とりあえず身近にある昭文社の「茨城県都市地図」で茨城町を探ると「奥谷543」の記載はないが、一番近い地番では「680」があった。更に奥谷というエリアは2km×1km程度の大きさだった。これなら現地でのぶっつけ探索が可能だった。
 水戸市郊外にある寺で墓参りを済ませた帰り道、家族を乗せたまま寄ってみることにした。国道6号線の「奥ノ谷」交差点から岩間方面へ車を走らせる。6号線のバイパスを過ぎ、そろそろか?とキョロキョロしながら進むと左手に怪しい資材置場が!車を停めて中を覗き込むと…、お〜〜あった!機関車が3台並んでいる!
 しかし、門は閉ざされ人気がない。しかも今日は家族連れ…。仕方なく門の外からの撮影となった。それでも加藤を見ることが出来ただけでも嬉しくなった。この日は数枚の写真を撮って後にした。
 最初の訪問から10年後、再び車を走らせた。場所は分かっている。「奥ノ谷」から左側、左側…、あれ?行き過ぎた!Uターンして戻ってみると…、な、な、ない!機材センター丸ごと無くなっていたのだった。足取り重く帰宅してネットで検索すると、何と蔦屋建設は2009年に倒産していたのだった。あの加藤たち一体何処へ?
 その後、大洗から霞ヶ浦へ行く途中の道端に放置してあったなどの不確定情報もあったが真相は不明。しかし3台あったうちの1台は栃木県の「那珂川清流鉄道」での保存が確認された。

《データ》
■蔦屋建設 機材センター [保存]

◇茨城県東茨城郡茨城町奥谷奥谷543-5◇岩間 バ(赤坂下)→歩すぐ
 

[探索日:2000.08.11]



《車輛データ》
◇01:蔦屋建設 GL(加藤/B型 4t程度 610mm)←海軍
◇02:蔦屋建設 GL(加藤/B型 4t程度 610mm)
◇03:蔦屋建設 GL(加藤/B型 4t程度 610mm)
◇04:蔦屋建設 FC(木製トロ 610mm)
◇05:蔦屋建設 FC(木製トロ 610mm)
◇06:蔦屋建設 FC(ナベトロ 610mm)
◇07:蔦屋建設 FC(ナベトロ 610mm)
◇08:蔦屋建設 FC(ナベトロ 610mm)

参考:鉄道番外録3p4-6(1995.04.18)・RM209p72-73(1996.04.05・2000.08.24)・TZ9p146-147(2000.06.14)


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