■廃金山を探れ!

 記録を残していなかったので正確な訪問日が分からないが、多分1987年頃だと思う。この日は栃原金山をはじめ、近くのめのう鉱山、高取鉱山と回り、めのう鉱山は発見できなかったが、栃原金山と高取鉱山でトロッコを見ることが出来た。
 水郡線の上小川駅近くから西方へ進むと、途中に「東洋金属鉱業」の看板がある。ここから林道の様な道に入るとやがて鉱山施設が見えて来る。入口に車を停めて歩いて進むと建設中のホッパーがあり、上部にはレールが確認できる。道路はゆっくり上り坂になっていてやがてレールと同じ高さになり、併用軌道となって約100メートル続き、少しカーブすると坑口に辿り着く。坑口から出た軌道はすぐに二股に別れ、一方は左カーブして今歩いて来た道に沿ってホッパーへ。一方は直進してすぐに行き止まる。
 坑口の前に鉱車が1両あった。この時点では動力車は見られなかったが、後に高取鉱山からBL(ニチユの2トン)が入ったらしい。また、鉱山自体もまだ準備中だったようで、その後は観光鉱山として開業したことは有名であるが、現在では金相場の低迷を理由に採掘は中止しているという。いずれ金相場が回復すれば再開するという意思はあるらしいが、再開には多額の資金が必要らしく、このまま廃止になる可能性が高い。軌道は当時のままらしいが、かなり土砂や草木に埋もれているという噂だ。
 尚、今年3月10日のブログの写真はここの坑口である。

《データ》
■東洋金属鉱業栃原坑(栃原金山) [現存(休止中)]

◇茨城県久慈郡大子町栃原大久保460-6◇上小川 車15
◇区間:鉱業所内◇0.1km(坑外部)◇動力:蓄電池◇軌間:508mm◇敷設日:1987年頃◇休止:1999年頃
◇大子鉱山栃原鉱業所(1982)→東洋金属鉱業栃原坑(1987)→栃原金山
 
◇参考:RM122p68-69(1993.08.07)など

[調査日:1987年頃]




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