■ワイン工場に痕跡を探せ!


 牛久駅から程近いところにシャトーカミヤがある。地ビールやワインを製造、販売するこのシャトーカミヤは浅草にある神谷バーの名でも知られている。現在、工場の周囲は住宅地になっているが、昔はワイン作りに必要なぶどう畑が広がっていたという。そして、収穫したぶどうを醸造所に運ぶ目的で畑の中にトロッコ軌道が敷かれていた。工場から牛久駅までは製品運搬用のトロッコ軌道もあった。そこで今回は、その痕跡が無いか確かめるために訪れたのであった。
 正門の向かい側にある駐車場に車を入れる。ここは一般の有料駐車場だが提携駐車場となっていて、シャトーカミヤで一定額以上の買い物等をすれば割引になる。
 正門をくぐると正面に煉瓦造りの建物が見える。近づくと「神谷傳兵衛記念館」とあり何か展示しているようだ。入場は無料だった。入るとすぐ右手に醸造用の大きな樽が並び、微かにワインの香りが漂っている。順路に従って進むと一番奥に階段があり2階へと続く。2階は資料館になっていて、ワイン造りに使った古い道具などが並び、シャトーカミヤの昔の写真なども展示されている。中にはトロッコの写真も多数あった。写真によれば今入って来た正門の中やこの建物の入口にも昔、軌道が敷かれていた事などがわかる。2階のこの場所もワイン樽の貯蔵スペースであったようだ。ぶどうを搾る機械やワインのボトル、ラベルなどを見ながらゆっくり進む。そして2階の一番奥に来た所で遂に台車を発見!短いレールも残されていた!何故か照明が当たらず薄暗い一角に展示してある。台車はレールの上には乗っておらず、折角2本あるレールは台車の横に置いてあり、台車の上にも物が置かれて展示の仕方としてはイマイチである。スペースも狭くて軌間計測が出来なかったが推定で600mmくらいであった。しかし、台車が展示してある事を知らずに出掛けたので、この発見は嬉しかった。
 その後は外に出て記念館で見た写真をもとに現場検証をしたが軌道の痕跡を見つけることはできなかった。また正門を出た所の道は途中、微妙なカーブをして、そのまま牛久駅へ通じている。多分、この道がかつての軌道跡ではなかろうか?
 駅からも近く、入場も無料なので是非見学していただきたい施設である。
 尚、売店を覗いたら新モノのワインが売られていて、白ワインのラベルには今、見学したばかりの煉瓦造りの建物のトロッコ軌道の写真だった。つい購入してしまった事は言うまでもない…。

 これがワインのラベルです!


《データ》
■シャトーカミヤ 神谷傳兵衛記念館 029-873-3151 [保存]

◇茨城県牛久市中央3-20-1◇牛久(東口) 歩10◇10:00-17:00・無休◇無料◇有料P(契約P)
◇01:FC(木製平台車 610mm)※軌間は推定
 

[調査日:2010.02.07]


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