■水戸にもあった街角軌道を探れ!

 水戸駅から北西に約3km、水戸市の中心地から少し外れた所に以前、街角軌道が残っていた。御前山に通ずる道沿いの、この一角には当時、古い商店が何軒か残り、いい雰囲気の通りであったが今では数軒を残すのみなった。残念ながら時代の流れには逆らえず、トロッコの軌道が残っていた釜屋もぐさ店もいつの間にか無くなってしまった。
 詳しい調査もせず、訪問当時の記録は不十分で記憶も曖昧なので、今となっては詳細が分からずじまいになってしまったが、写真に日付があるので訪問日だけは何とか分かる。店の雰囲気は石岡の福島屋を一回り小さくしたような印象がある。店舗の横に木の門があって奥の蔵へ軌道が続いていた。初めて見つけた時には既にレールはコンクリートで埋められていて廃線であった。奥を覗いたが車輌は見当たらなかった。
 確か約1年後に再訪したのだが(詳細な日付が不明)、その時は店の建物を壊している最中で軌道跡だけが残り駐車場風になっていた。(この時に撮影した写真が何故か見つからない)更に1998年に訪れた時は、何処に店があったのか分からないくらい周囲が変貌し、軌道は跡形も無くなってしまった。今更ながら記録することの大切さを痛感するのであった。

《データ》
■釜屋もぐさ店 [廃線]

◇茨城県水戸市末広町2-3付近◇水戸 バス15
◇区間:店舗横〜倉庫前◇距離:約0.03km◇軌間:508mm◇動力:人力(推定)◇敷設日:不明◇廃止日:不明◇撤去日:1992頃


 

[調査日:1991.01.11]



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