■石切場の奥を探れ!


 国道50号線の稲田付近を通るだけで、この道の方々ならワクワク感を感じるハズだ。そして昔、石切場から稲田駅まで石材運搬トロッコがいくつか敷設されていた事もご存知の方も多いであろう。そんな中、稲田駅入口付近の交差点に『石の百年館』の看板が立っているのであるが、これが意外と気づきにくく、車から注視していないと見逃しやすい。
 国道の交差点から山の方へ入ると周囲は石材関連の工場ばかり。奥にある石切場から切り出される石を加工する工場である。
 石切場からのトロッコは複数敷設されていたが、軌道は完全に撤去されてしまい、今となっては面影は全く残っていない。
 石材工場が途切れ、そろそろ行き止まりか?と思われる頃、右手に何やらお洒落な建造物が現れる。ここが『石の百年館』だ。民間企業が開設した石に関する資料館だ。中にはこの付近で採取される稲田石に関する資料や、付近の鉱山などで採掘された鉱石、世界の主な鉱物などが展示されている。特に稲田石に関する資料は豊富で石切場の様子や、昔の写真、資料などが多く展示されている。展示物の中にはトロッコの車輪があったりする。しかし、今回のお目当てはトロッコの車輪ではなく、トロッコ本体だ。それはこの本館らしき建物ではなく、もうひとつ奥にある倉庫のような建物の中にあった。大型の工具や道具などを展示している中にトロッコも並べられている。
 重たい石を運ぶための頑丈で太い台枠に暴走防止用の太い木製ブレーキのついた特徴的な形状のトロッコだ。一応、このトロッコは軌道があった頃のものではなく、復元ということであるが、車輪はオリジナルのものかも知れない。ともあれ当時のトロッコを知るには十分な程、忠実に復元されたシロモノである。連結器などは無く、勾配を利用して自然降下方式で稲田駅方面へ向かったようである。(戻りの動力は不明)
 尚、この資料館の向かい側は、この資料館を運営する「高田石材」の工場があり、その中に怪しげな大型鋼製台車を見る事ができる。

■石の百年館歴史村 0296-74-2901 [保存]
◇茨城県笠間市稲田4303◇稲田 歩25◇1000-1600・月曜日◇\300◇無料P有
◇01:FC(2軸木製平台車 610mm)
 

[調査日:2008.03.23]


※2010.05.30閉館しました。(残念!)

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