■雨上がりの軌道跡を探れ!


 朝の常磐道は土砂降りの雨だったが、北上するにつれ回復の兆しが見えてきた。午前中に水戸での用件を済ませて、いつも立寄る内原の蕎麦屋で昼食にした。食べ終わって店を出る頃にはすっかり晴れていた。時間がたっぷりあるので帰る途中、つくば辺りで少し遊んで帰ろうかと思い、国道50号を笠間方面へ向けて走り、岩瀬からつくば方面へ進路を変えた。
 途中、筑波鉄道の廃線跡が「りんりんロード」という名称でサイクリングロードになっているのが確認できる。そんな景色を見ていたら、ふと真壁の金物屋のトロッコが頭に浮かんだ。昨年訪問した時は定休日の日曜日で、店の横の門が閉ざされていて、ほんの少ししか軌道を見る事ができなかった。天気も回復したので、ちょっと寄り道してみるか!
 伝正寺入口を過ぎたところで右折し、古い町並みの中へ車を進める。いかにもトロッコが有りそうな気配の中々良い雰囲気の町並みが続き、やがて左手に石田金物店が現れる。今日は祭日だが大丈夫だろうか?軌道は通りのところまで延びているので定休日でも、その存在に気づくのは容易だが…。
 店の前まで来ると、木製の平台車が見えた。今日は門も開いていて軌道が奥まで続いているのも見える。ここ石田金物店のトロッコは本当は廃線の部類に入るのだが、最近、真壁の古い町並みを見に来る観光客が増え、『トロッコがある金物屋』として話題になったことから木製台車が復活したという、マニアには嬉しいトロッコだ。とは言え、新造された平台車は荷物を積んだ形跡はないほど綺麗。年季の入った軌道と比べると少し浮いた感じがしている。
 雨上がりの空は急速に回復し、すっかり青空になった。本来なら店の前からのショットを掲載すべきなのだが、店の裏手から撮った写真の水溜りと空が綺麗に写っていたので上の写真を選んだ。それに曲線の感じも魅力的だ。写真では分かりにくいが、軌道は写真中央に少し写っている門の所で数メートルくらい撤去されていて店の前までは続いていないのが、チョットだけ悔やまれる。

■石田金物店 [廃線・保存]
◇茨城県桜川市真壁町真壁144-2◇岩瀬 11km(現在バス路線なし)◇日曜日定休
◇区間:店舗前〜倉庫◇距離:約0.1km◇軌間:508mm◇動力:人力◇敷設日:不明◇廃止日:不明
◇01:石田金物店 FC(木製平台車 2軸 508mm)
 

[調査日:2009.03.20]




inserted by FC2 system