■石岡の砂糖卸商を探れ!

 トロッコ界でも超有名な現役手押しトロを有する福島屋砂糖店である。
 JR常磐線石岡駅から徒歩で約10分、古い建造物が並ぶ国府3丁目付近はトロッコ軌道があっても何ら違和感もないくらいだ。
 通り沿いに立つ福島屋砂糖店の木造2階建ての建物は昭和4年の大火の後、昭和6年(1931年)に建てられた。この店舗兼住宅の建物は国登録有形文化財である。店舗横のトロッコ軌道も同じ頃に敷設されたとされる。因みに店自体は明治40年(1907年)の創業である。
 店舗横の通路から途中、クネクネと左に曲がりながら最奥の倉庫まで延びる。距離は丹念に調査した方の記録で54.8メートル。店舗横の通路から軌道に沿って奥に進む。すると軌道と店舗の間に下水管を埋設した跡があった。細い通路に敷設した軌道だと、この工事を機に軌道を撤去してしまうケースが多いが、幸いにも福島屋の通路は車が通れるくらい広い。いつもは最奥の軌道末端の車庫の中に平台車が収まっている。トロの出番は毎月1日の8時頃から約1時間。入荷する品物を運ぶのに活躍すると言うことだ。
 いくつか確認できた石岡市街のトロッコも、ここ福島屋砂糖店が唯一残ったトロッコだ。是非とも末永く現役であって欲しいものである。

《データ》
■福島屋砂糖店 [現存]

◇茨城県石岡市国府3-4-20◇石岡 歩10
◇区間:店舗横〜倉庫(敷地内)◇距離:0.0548km◇軌間:510mm◇動力:人力◇敷設日:1931年頃
 

《車輛データ》
◆01:福島砂糖店 FC(平台車)[2004.04.13確]

◇参考:立入厳禁p176・RM267p118-119(2003.06.02・2004.04.13)・ビーパル304p59など多数

[探索日:2012.08.03]




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