■裏口から探れ!


 石岡でトロッコと言えば「福島屋」が相場である。が、素直に福島屋を紹介しないところがこのHPの特徴でもある。(どんな特徴じゃ!)
 その福島屋に程近い「あさ川石岡店」は同じく旧街道に面した石岡市国府にある。石岡でも特に古い町並みが残る区域でもあるが、表の店構えからはトロッコがあることなどチョット想像し難い。
 和菓子店のドアを開けると商品が並んだ奥に暖簾が掛かっていて、隙間からチラッと1本のレールが輝いているが見える。(マニアはこれを見逃してはならない!)
 なぁ〜んだ1本しかないのか!(マニアはここで見切ってはならない!)
 女将さんにトロッコ見学をお願いすると快くOKしてくれる。(マニアはここで油断してはならない!)
 店舗奥に座敷がありその奥の扉を開けるとレールは2本になってかなり奥まで続いていた。(マニアはこれで喜んではいけない!)
 一直線に延びた軌道は意外と長い。倉庫が2棟ありトロッコは商品や材料の出し入れ等に使用されていたことが推測できる。(マニアはここで早合点してはならない!)
 女将さんは気さくな方でお話し好きである。この店の昔の事など色々な話しをしてくれる。女将さん話しを総合すると、元々は油屋を営んでいたが、法律が変わりこの場所に油を保管できなくなり、止む無く違う場所へ店を出し現在は国道沿いでガソリンスタンドになっていると言う。トロッコは和菓子の原材料ではなく、油を運搬する為のものだったのだ。最奥には名残の石油計量器がある。店の2階は簡単な資料館みたいになっていて、油店だった頃の日用品などが並べられていて、店の人に申し出れば無料で見学させてもらえる。油店時代のランプや半纏などが展示してあり、半纏には「細谷石油店」と書かれていた。これが旧油店の名前か?(他にも色々なコレクションがある)また、現在、ご子息が中心になって「トロッコ復活計画」が密かに推進されているという超極秘情報も入手。(全然密かじゃない!)
 今回のレポートは表から入ったように書いてあるが、実は裏から入った。裏には客が利用できる駐車場があり、軌道部を通って店に入れるよう案内が掲示してある。これを見て迷わずチャリを停めたのであった。マニアにお奨めの進入ルートである。尚、トロッコ見学だけなら10分程度で十分であるが、女将さんの話しと2階の見学で30分以上は見込んで頂きたい。

《データ》
■あさ川石岡店 [廃線]

◇茨城県石岡市国府3-2-5◇石岡 歩10◇9:00-18:00・無休◇Pあり
◇残存区間:店舗裏〜倉庫◇残存距離:約0.05km◇軌間:610mm◇動力:人力◇敷設日:不明◇廃止日:不明
◇細谷石油店→あさ川◇車軸2軸あり
 

[調査日:2010.07.20]




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