■下館の懐石料理店を探れ!

 国道50号を走り、下館の市街地に入ると町並みに変化を感じる。明らかに歴史のある建造物が目に入るからだ。特に下館駅への入口になる「田町」交差点付近は古い建物が集中していていい雰囲気だ。その田町交差点近くの懐石料理店「食蔵荒為」には僅かであるがトロッコの軌道が残されている。
 現在、懐石料理を出す食事処となっている建物は旧荒川家住宅で、明治時代には肥料、荒物、雑貨などを扱う卸問屋だったそうである。築130年を超える建物は国の有形文化財にも登録された歴史ある建物だ。
 その歴史ある元商家から食事処に改装するにあたって、トロッコ軌道を一部残すように設計された事で、店へ入る際、その軌道部を歩いて入る構造になり、トロッコマニアには堪らない演出となった。軌道を撤去せずに再活用した粋な設計である。
 2013年11月9日、下館の街を探索した際、荒為に寄る事にした。折角なので昼食でも頂いて大人のトロッコ探索を…。
 国道50号線から暖簾を潜ると軌道が見える。写真では「作られた感」があるが実際に近くで見ると意外と自然な感じの軌道だった。素早く軌間を計測すると520o、残存距離は目測で10メートルくらいか。
 ここのトロッコ軌道に関して色々と調べてみたが、いつ頃敷設していつ頃まで使われていたのか、全く分からなかった。建物だけでなく付帯物についても、もう少し記録が残るといいのだが。
 尚、食事は予約がなくても大丈夫です。トロッコ探索だけでなく美味しい料理を楽しみ、ゆったりとした時間を過ごすのもたまにはいいものですよ。

《データ》
■食蔵 荒為 [廃線]

◇茨城県筑西市甲929◇下館 歩10
◇残存区間:敷地内◇残存距離:約0.01km◇軌間:520mm(実測値)◇敷設日:不明◇廃止日:不明
 

[探索日:2013.11.09]

参考:ブログ軽探団「軽探団 下館・結城を探る」(2013.11.10)


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