■潮来牛堀の石蔵を探れ!

 潮来駅の観光案内所でレンタサイクルを借りて霞ヶ浦から流れ出る常陸利根川に沿って西へ。常陸利根川と国道51号の間を通る県道5号は沿道の建物を見ていると恐らく古い道に違いない。4〜5km走ったところで牛堀の集落がある。信号機から左手の道に入ると商店などが並ぶが商いをやめた店も多い。旅館などもあって、かつてはある程度栄えた街だったように思うが今は人通りも疎らだ。200メートルくらい進むと右手に木造の蔵、左手に石蔵が建っている。そしてその石蔵近くに一筋のトロッコ軌道が残っているのであった。溝は埋められているがレール頭は明確に見える。距離は20メートル程度だ。
 元々何か建物が建っていたらしき部分は駐車場になっていて、その建物に沿って軌道が敷設されたようだが詳細は判らない。
 石蔵の向こう側は道路を挟んで常陸利根川だ。軌道は道路と川の間に敷設されているが、道を基準に敷設されたのか、川を基準にしているのか?唯一判っている情報は蔵は米蔵だったという事だけだ。米蔵は道路に面していた商店のものか?水運を利用して輸送するための保管用だったのか?どちらかであったであろう。
 川に面した石蔵は2棟あり、1棟は「北斎遊学館」として地元の生産物などを扱っている店で、もう1棟は「ALL ABOUT 蔵」という喫茶・レストランになっている。軌道はALL ABOUT 蔵の入口の手前で途切れているが蔵の前までは延びていたと思われる。
 軌道に関する手掛かりは全くないが古い道、水運が盛んだった川…、その間を結ぶ軌道跡…。かつて賑やかだった牛堀を想像するには面白い情景であった。

《データ》
■ALL ABOUT 蔵 [廃線]

◇茨城県潮来市牛堀8-3◇潮来 バス(牛堀)
◇残存区間:敷地内◇残存距離:約0.02km◇軌間:610mm◇敷設日:不明◇廃止日:不明
 

参考:ブログ軽探団「初秋の下総・常陸を探る」(2017.09.10)

[探索日:2017.09.10]




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