■鍵の手のその先を探れ その1

 福島県中通りの南に位置する城下町白河市。市街地を横切る旧陸羽街道を行くとその街道沿いには古い商店、蔵、醸造所などトロッコマニアの嗅覚をくすぐる雰囲気が漂っている。
 白河駅の南側を通る旧陸羽街道を東へ進むと道が鍵の手状に折れて城下町を実感する。市街地の町名も大手町、大工町、年貢町など…、城下町風である。その街道沿いに店を構える大谷忠吉商店の通用門にはトロッコの線路が顔を覗かせていた。
 ここ大谷忠吉商店は1879年(明治12年)創業の古い酒蔵で、詩人萩原朔太郎の妻、美津子の生家とのこと。(現地に案内板あり)
 探索時、門が閉ざされていたので中の線路の様子が判らなかったので、とりあえず店から探索を試みた。丁度若旦那らしき方が店に出て来たので、最初に目についた「甘酒の素」を購入しつつ、トロッコの見学をお願いした。するとすぐにOKを頂いたので早速探索開始。
 レールはコンクリートで埋められてしまっていたがレール頭はハッキリと確認出来る。細い通路から奥の蔵へ真っ直ぐ延びているが10メートルくらいの所で途絶えていた。本来は最奥の醸造蔵まで続いていたようだ。話しを伺うと15年くらい前まで使用していたそうである。残念ながらトロッコは残っていないようだった。軌間は実測値で600mm。規模から見て人力の台車程度かと推測される。原料を搬入し、製品を搬出するのが敷設目的であろう。
 白河市の街中には怪しい建造物が沢山建っている。丹念に探せばまだ何か見つかるかも?(実際見つかったので「その1」にしました)

《データ》
■大谷忠吉商店 [廃線]

◇福島県白河市本町54◇白河 歩10
◇残存区間:店舗横〜蔵◇距離:約0.01km◇軌間:600mm(実測値)◇敷設日:不明◇廃止日:1998年頃
 


[探索日:2013.03.26]




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