■私設資料館を探れ!

 トロッコマニア、鉱山マニア、博物館マニア(いるか?)、石炭マニア(これはおらんやろ!)にはチョットは知られた資料館であるが、ここはいわき市石炭化石館のような立派な施設ではなく、個人が運営している私設資料館である。ここを開設、運営している渡邊さんは元炭鉱マン。閉山後はこの地で養鶏業を営み、その傍ら炭鉱に関する資料、写真、道具などを収集し、高齢になってから養鶏業を縮小、空いた鳥小屋を改装して資料館を開設したという。そんな資料館を訪れてみた。
 内郷駅から約3km、バスが通る道からダート道を上るといきなり広い駐車場の奥にトロッコが見えてくる。屋外に木製トロ3両、鋼製トロが1両。木製トロは全て復元で、軌間が490mmと610mm(共に実測値)の2種、黄色く塗られた鋼製トロは610mmであった。模擬的にレールも敷かれて炭車の巻揚機もそれらしく置かれている。しかしトロッコマニアの目を引くのはこれらトロッコだけではなかった。
 元鳥小屋だったという資料館は入口が坑口風になっていて、炭鉱の雰囲気を醸し出していた。中はさほど広くはないが入ると近隣の炭鉱の地図、写真や手書きの施設配置図などが所狭しと展示されていて、かつての炭鉱の様子や、運炭鉄道、トロッコなどが何処を通っていたのかが良く分かる。特に「弥勒沢ガイド今昔イラストマップ」は炭鉱の位置やトロッコの敷設状況など詳細に描かれていて、資料としての価値が高い。これは大きな展示品の他にA4版で印刷されたものが無料で配布されていた。(これはマニア必須アイテム!)
 入館無料の小さな施設資料館ながらも展示物の内容、密度は濃く是非訪れたい施設であると感じた。チョット油断すると1〜2時間、あっと言う間に経ってしまうのである。

《データ》
■みろく沢炭鉱資料館

◇福島県いわき市内郷白水町広畑223◇内郷 歩40分(約3km)
◇開館日、時間:不定◇入館料:無料◇無料Pあり
 
《保存車輌データ》
◇01:FC(木製2軸鉱車 490mm)復元
◇02:FC(木製2軸鉱車 490mm)復元
◇03:FC(木製2軸鉱車 610mm)復元
◇04:常磐炭砿鹿島坑 600キロ炭車 FC(鋼製鉱車 610mm)
◇05:車軸 軌間490mm×4軸・300mm×2軸

[調査日:2010.07.20]




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