■いわき平の雑貨問屋を探れ!

 大一屋の軌道が無くなって平のトロッコは全滅か?と思われていたが、「実はもうひとつあるらしい」との情報が入った。早速ネットで調べてみても暫く当たりがなかったが、ようやく一般のサイトで一枚の写真を発見。どうやら存在するのは事実らしい。とは言え、何となく街中にあることが察することが出来るが、写真以外に施設名や場所の記述がなく何処にあるのか判らなかった。となると、後は現地に行くしかない。
 2010年7月、チャリで平の町を回り怪しい商店を発見。店の隣が通路になっていて奥に倉庫がある構造だったが後日、思い切って訊ねてみるとスカ!振り出しに戻って何度か探しに行ったが見つけられることが出来ずに時間が過ぎていった。どうも大一屋のあった場所に囚われ過ぎて自然に範囲が狭くなってしまったようだ。そして2013年9月、建て直し探索であっさりと軌道を発見したのだった。
 旧街道沿いの商店横の狭い通路に軌道が延びていた。隣の店が古くトロッコがありそうな構えをしていたので気をとられていたのか?それとも表の扉が閉じられていたのか?うっかりすると確かに見逃してしまいそうな軌道だった。通りに面した店は商いをやめていて人の気配がない。軌道のある通路を入って奥の建物を覗いてみると、こちらは商品の倉庫になっているようだったが、扉に携帯の連絡先が書いたメモが貼り付けてあって無人。結局この日は調査できずに撤退を余儀なくされた。そして2014年3月、ようやく調査ができた。
 軌道の奥にある建物には雑貨問屋?のT屋が使用しているが、そのご主人に聞くとトロッコの所有者ではないと言うが写真撮影はOKしてくれた。トロッコの上にはT屋さんに納品される品物が載っかっていたりする。
 軌道の長さは目測で約20メートル、全線直線で軌間は508mm。木製の平台車が一台だけの小さなトロッコ軌道だ。現在は荷物を運ぶというトロッコ本来の用途としては使われていないようだが、完全に廃止というわけでもなさそうで、一応、休止中という判断をした。T屋の奥に普通の民家がある。恐らくトロッコの所有者の家だと思われるが、今回はそこまでの調査はしていない。軌道の敷設、使用期間、目的の調査は持ち越しとなった。
 大一屋、旧百澤商店とここの軌道は全て同じ旧街道沿いの通りに面している。やはり街中軌道は旧街道沿いが狙い目なのだろうか。


《データ》
■いわき市平の商店跡 [現存]

◇福島県いわき市平五町目11◇いわき 歩10
◇区間:通路入口〜事務所横◇距離:約0.02km◇軌間:508mm◇動力:人力◇敷設日:不明◇休止日:不明
 

《車輌データ》
◆01:FC(木製2軸平台車 508mm)

[探索日:2014.03.10]




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