■酒田の加藤保存機を探れ!


 この保存機の存在を知らしめたのは私の知る限りでは鉄道友の会が発行する「RAIL FANの666号(2008年3月臨時増刊号)」だと思うが、この後、意外と表舞台に出る事なく時が過ぎた。2014年、イカロス出版から「加藤製作所機関車図鑑」が発行され、写真が掲載されるとネットで検索し所在地が判明しストリートビューでも確認できたのである。
 この機関車は加藤の5トン機、軌間610mmで昭和38年(1963年)頃、山形県土木部から払下げられた事が説明板に記されているが、詳細は今一ハッキリしない。そこで「加藤製作所機関車図鑑」と「資料 加藤製作所の機関車」(いさみやロコ・ワークス 昭和62年発行)の一覧表で山形県土木部に納入された機関車を探ってみると、5機が確認できた。その中で1台は762mmで4台が610mm、全て5トン機である。
 610mmの機関車をリストアップすると@製番28895番(1953.07製)、A291041番(1954.05製)、B61128番(1961.07.28製)、C62173番(1962.05.25製)であるが、「加藤製作所機関車図鑑」の表で、Bの機関車の備考欄に「酒田」の記載がある。と、なると、Bが有力なのか…。
 製造が1961年で僅か2年後の1963年頃の払下げというのは現実的にある話しなのか?正解は判らないが、現時点での資料の上では4台のうちのどれかで、最有力はBと言う事になるか。
 写真でもお判りの通り、実車は大切に保管され状態も非常に良い。貴重な機関車を末永く後世に残る事を願いたい。

《データ》
■菅原工務所 [保存]

◇山形県酒田市東栄町12-44◇酒田 歩15◇敷地内
◇01:菅原工務所 (加藤/B型 5t 610mm)
 

《参考》
HP「酒田市いいの〜♪」『展示の機関車』
◇RAIL FAN666p45(2007.03)
◇加藤製作所機関車図鑑p152
◇保存車大全コンプリートp244
ブログ軽探団「初夏の山形を探る その2」(2019.06.07)
ブログ軽探団「ビュー探団 菅原工務所の加藤を探る」(2014.11.14)

[探索日:2019.06.07]




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