■鉱山観光施設の残存車輌を探る

 訪問した時は「マインランド尾去沢」という施設名であったが、いつのまにか「史跡尾去沢鉱山」に名称を変更していた。その名の通り旧尾去沢鉱山の坑道をメインとした観光施設である。鉱山跡を利用したこの手の施設は他にも多く存在するがここ尾去沢はかなり大きな規模の施設である。ホームページによれば開放している坑道は1.7kmにも及ぶ。
 訪問したのは1993年。残されていた鉱山トロッコを確認しながら坑道内にも入った。
 早速、施設入口の駐車場横でTLと鉱車のお出迎え。機関車は5tと4tの2種類。鉱車は荷箱を傾けると側扉が開く構造の鋼製鉱車で13両あった。(上写真)
 入場料を払って坑道内に入る。歩くところはコンクリートで舗装されているが、部分的にレールも見えた。壁面や天井部も比較的操業時のままに残されているようだ。坑道が分岐した先や広くなっている部分の立入禁止区域では路面もそのまま残っている。所々で鉱山車輌たちが展示されていた。そしてその車輌たちは放置状態のものから綺麗に塗装されたものまで様々だ。ざっと数えただけでも坑内に30両程度あった。屋外のも合わせると45両くらいになる。他にも見えない部分にも残っているかも知れない。
 オリジナルの色は判らないが、大部分の鉱車とBLは水色、電気機関車は黄色か橙色(屋外展示は黒)、火薬車は赤に塗られていた。
 この日、確認できた車輌は以下の通りである。
 TL:10号、113号(4.5t)、115号(4.5t)など全6台、内2台は屋外展示
 BL:47号、107号(2t)など5台
 1.7tグランビー鉱車:7号、8号、15号など多数、内13両は屋外展示
 鋼製鉱車:143号、203号、568号など
 その他、ローダー1台、坑木運搬車数両、火薬車2両、人車1両、台車数両

 車輌の他には竪坑のエレベーターや鉱石卸場などの施設もある。
 尚、何故か坑内には人形が多く置かれていて、機関車の運転席などには必ず座っていて稼動時の演出をしているが、これが結構不気味だったりする。(車輌写真の撮影にはあまり歓迎できない)
 また、屋外の駐車場の外れには尾去沢鉱山から土深井駅(旧尾去沢駅)までの約7kmに敷設されていた馬車鉄道(1934年廃止)の跡も再現されていて、その説明板も設置されている。
 規模が大きく車輌も多数なのでひとつひとつ確認するには短時間では難しい。熱心に調査する方はたっぷりと時間を割いたスケジュールを組んでおきたい。

《データ》
■マインランド尾去沢(史跡尾去沢鉱山) 0186-22-0123 [保存・廃線] HP

◇秋田県鹿角市尾去沢獅子沢13-5◇鹿角花輪 バス30(マインランド尾去沢)
◇営業:9:00-17:00・9:00-15:30(11-3月)・無休◇入場料:\1000◇設備:P1000台


[調査日:1993.09.20]




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