■走行可能?史上最強のヨレヨレ軌道を探れ! ※古い情報ですので現況不明です。

 
 尋常な軌道なら多少意外な所で見かけてもトロッコマニアであれば全く驚かないであろうが、この軌道のインパクトは私にとって中々強力であった。この軌道は学生時代に仲間と東北旅行をした時に偶然見つけたのである。旅行の途中、三厩で別れた仲間が竜飛で一泊してから陸奥湾を船で横断して脇野沢へ渡るというので、私は青森駅での念願の「駅寝」を初体験した後、鉄路とバスで脇野沢の港を目指した。大湊から脇野沢に向けて海岸線を走るバスの車窓から穏やかな海面を眺める。そして間もなく脇野沢の港に近づく頃、道路と海岸の狭いスペースに建っている製材所に線路が敷かれているのが見えた。脇野沢でバスを降りた後、仲間が乗っている船の到着まではまだ時間があり、距離も遠くなかったので、船待ちの間に製材所まで歩いて引き返してみた。
 製材所まで戻ると、車窓から見たよりはレールが細いせいか軌間がやや広く感じる。ほとんど整地されていない地面に直接枕木が雑に置かれ、その上にレールが固定されているのでヨレヨレ感が際立って見える。動力は機関車らしきものは見当たらなかったので人力のようだ。木材に紛れて台車が転がっていた。それにしても果たしてこのレールの上で脱線せずに木材を運搬できるのであろうか?残念ながら、この日は動いている姿は見ることができなかったが、出来れば台車を転がしている姿を見てみたいものであった。

■脇野沢の製材所(名称不明) [現存]
◇青森県下北郡脇野沢村◇大湊 バス(脇野沢)→歩5
◇区間:製材所敷地内◇距離:約0.05km◇動力:人力◇開業日:不明
◇01:FC(木製平台車)
 

[調査日:1983.09.09]



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