■南部せんべいの製麺所を探れ

 国道4号線を逸れて七戸町の中心部へ進路を変えると僅かながら商店が立ち並ぶメインストリートに入った。所々古い商店が残るが既に商売をやめてしまった店も多い。目的地の製麺所は近いと感じながら慎重に進むと七戸中央のバスターミナルの前に出た。文字通り七戸町の中心部のようだが目的地は過ぎてしまったようだ。まさか廃業してしまったか?それとも建て直してしまったか?バスターミナルでUターンして再び慎重に車を走らせた。すると「山芋そば」の文字の下に小さく『大池製麺所』と書かれた看板を発見!「ココだ!」早速、店の横の僅かなスペースに車を停め、カメラをぶら下げて探索に向かった。
 アルミ枠のガラス扉が並んだ間口から店の中を覗くとワゴン車と南部せいべいを陳列した棚が目に入った。さて肝心のトロッコは何処だ?とりあえず扉を開けて中に入ってみる。するとワゴン車の後ろに軌道があった。「よしっ!」。しかし店には誰もいない。無断で店内を探索する訳にもいかず奥の方を覗き込んだ。店先には呼鈴が置いてある。これを鳴らせば誰か出てきそうではあるが…。折角、南部へ来たので土産に南部せんべいでも買って写真撮影をお願いするか…。呼鈴を鳴らすと奥からおばちゃんが出てきた。まずは南部せんべいを購入して代金を払いながら写真撮影をお願いするとOKしてくれた。
 カメラを準備しているとおばちゃんは奥に戻ってしまい、店先で私一人だけ取り残されてしまったが…。すると奥からゴロゴロとトロッコ登場!おばちゃん、わざわざ奥からトロッコを出して来てくれたのだった。軌道は店先に向かって緩やかに下り勾配になっていてトロッコは停めても自然に動き出してしまう。流石に現役のトロッコだけあって動きが滑らかである。おばちゃん今度は箒を持って来て車輪に挟んで停めてくれた。(本当に有難う御座います)
 軌道は店先から奥まで50メートルくらいはありそうだ。軌間は508mm。車輌は写真の木製平台車が1台。店から細い通路を抜けて奥の作業場まで続く古き良き街角軌道だ。
 奥では製麺作業(多分)が忙しそうであった。こんな時は長居は無用。さっさと写真を撮って丁重にお礼を言って切り上げるのが一番。なので軌道の詳細は分かりません。(レポートになってない!)
 大池製麺所の周辺にはトロッコがありそうな造りの店舗がいくつかあった。時間も少し余ったので、車を近くの公共の駐車場に移動し街中を散策してみたが。しかし残念ながら2匹目の泥鰌は見つけられませんでした。

《データ》
■大池製麺所 [現存]

◇青森県上北郡七戸町字七戸292-4◇七戸十和田 バス10(小川町)→歩すぐ
◇区間:製麺所内◇距離:約0.05km(推定)◇軌間:508mm◇動力:人力◇敷設日:不明
 
《車輌データ》
◆01:大池製麺所 FC(2軸平台車 508mm)

[探索日:2012.11.07]




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