■本州最北、エンドレス軌道を探れ!

 トロッコ界では有名なので細かい説明は不要と思い、敢えてここは割愛する。(決して手を抜いているわけではないですゾ!?)
 都内某有名大学T道K究会の合宿で周遊券を使って岩手三陸沿岸から北東北を周り最後に尻屋崎を訪れた。夕方近くになって当時の最寄駅、田名部で尻屋崎行きのバス乗り場を探していると、同行のI氏(当サイト「秩父一日」にも同行)が日鉄鉱業の従業員バスを発見。巧みな交渉術で便乗の許可を貰った。お陰で片道のバス代が浮いたが乗り込むと中はオバちゃんだらけで異常な賑やかさ。田名部の街で買出しの帰りのバスだったのである。場違いな雰囲気の中で大人しくしていること約30分、鉱業所の近くで降ろして貰った。宿は尻屋崎YH。到着が夕方だったので軌道は翌日に回し、夕食前に肌寒くなった岬方面へ名物の寒立馬を見に行った。
 交通不便な場所ながら、訪問当時、軌道は昼休みを除き早朝から夜遅くまで運行されていたので、現地まで行ってしまえば比較的撮影は容易だった。列車の本数も多い。軌道は鉱山から積出港まで結ばれていて、軌道末端の鉱山内と積出港では列車が機回しすることなく折り返せるよう、一方通行でループ線を進み進行方向を変えるシステムで合理的な運行をしている。従って通り過ぎた列車は暫く待っていると逆の線路から戻って来る。鉱車に鉱石が入っているかいないかの違いだけで、編成は全く変わらない。

 

 機関車はキャブが低い鉱山用だ。日輸製と協三製があるが共に15tで、日輸製は何故かSLのように煙を吐いて走る。貨車はグランビー鉱車。18両編成で一組ということらしいが、凄い勢いで一気に走り去ってしまうため確認はできていない。


 積出港付近は接近できないが、軌道にほぼ平行して一般道があるので撮影は楽にできる。途中、一箇所だけ踏切がある。遮断機はないが警報機が鳴るので列車の接近がわかる。踏切の山側に坑口があり海側がカーブになっているので絶好の撮影ポイントであった。

 

 列車の運転頻度も高く、いつ廃止になるのか不安定なトロッコ業界にありながら、比較的安泰と言われていた尻屋崎だったが、1994年、ベルトコンベアーへ切り替えという意外な展開であっけなく廃止になってしまったのであった。

《データ》
■鞄鉄鉱業 尻屋鉱業所専用軌道 [現存]

◇所在地:青森県下北郡東通村大字尻屋字八峠◇交通:下北 バス
◇区間:鉱業所〜尻屋崎港◇距離:約2km◇動力:内燃◇軌間:762mm◇運行:朝-1200,1300-2400
◇操業開始:1957年◇廃止日:1994.01.21 
 
◇参考:知られざるナローたちp2-3,p21-22(1978.12・1980.02)・RM009p44-49・RM017p64など多数

[調査日:1983.09.10]




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