■加藤の保存機を探れA

 住友八戸の保存車輌第三弾である。既に紹介した中では比較的公共交通機関より行きやすい場所に位置する。と言っても小学校は最寄駅から約1.5kmあり、住友セメント専用線の廃線跡から細い坂道を登った小高い丘の上に位置している。
 保存車輌は例によってDL以下木製鉱車が3両、人車が1両の編成だが、今回の一連の探索では保存状態は一番良くなかった。
 メインの機関車は1951年製、加藤の7t機である。製番は26497番で金山沢(26496番)とは一番違いで、いさみやロコワークス発行の「加藤製作所の機関車」によれば落成日は昭和26(1951)年2月21日で共に磐城セメント八戸が納入先となっている。車番はこちらが7番、金山沢が8番である。
 ここ新井田の保存車は校庭から少し離れていて生徒からは見えにくい場所にある。手入れの悪さも否めないが公道からは逆に良く見える場所にあるので探索は容易にできる。特に鉱車は木製なので形が残っているうちに見ておきたいものである。木立の中、かつての軌道跡を眼下に見て佇む車輌達の末永い保存を願いたい。
 

《データ》
■新井田小学校 [保存]

◇青森県八戸市新井田館平20◇小中野 歩25
 

《車輌データ》
◇01:住友セメント八戸工場 鉱石運搬軌道 7号 DL(加藤 1951年 26497番/B型 7t 610mm)
◇02:住友セメント八戸工場 鉱石運搬軌道 7 FC(人車/610mm)
◇03:住友セメント八戸工場 鉱石運搬軌道 487号 FC(鉱車/610mm)
◇04:住友セメント八戸工場 鉱石運搬軌道 206号 FC(鉱車/610mm)
◇05:住友セメント八戸工場 鉱石運搬軌道 240号 FC(鉱車/610mm)

◇参考:TF322・RF485・RF555・保鉄2・TZ3・TZ4・RM211・RF666p44(1996.04・1998.10)・RM326p59(2009.06.27)など


[探索日:2012.11.07]




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