■青森の林鉄を探れ

 青森駅から東へ約700メートル、昔は貯木場だったあたりに青森市森林博物館が建つ。その本館とは別の建物(第7展示室)にかつて森林鉄道で使われた車輌が保存されている。保存されている車輌達は大畑営林署で使われたものだが、室内には津軽の森林鉄道に関する路線図や写真が多く掲示されている。中でもシボレートラック改造の機関車の写真は目を引く。津軽半島へ向かう森林鉄道もこの貯木場あたりが起点だったようで、津軽半島全域に延べ121kmの大規模な森林鉄道が敷設されていたとの説明書きがあった。
 車輌は室内での保存の為、状態は良好であるが、建物内ギリギリに収められているので車輌全体の写真を撮るのは難しく、撮影には広角レンズが必須である。保存されている車輌は全部で4両。協三工業製のDLの他、湘南色の客車あすなろ号と1組の運材台車がある。客車は青森運輸営林署製でいわば自前といったところか。また1組の運材台車は鋼製で大宮富士工業の製造だ。
 博物館本館は旧青森営林局の庁舎で青森のヒバ材を使った由緒ある建物でこちらも一見の価値あり。また車輌を展示してある第7展示室は入館料を払わなくても入る事ができる。(入館は本館の開館時間内のみ)青森駅からも歩いて10分程度なので気軽に訪問してみては如何でしょうか。

※ブログ軽探団公開(2011.12.18)、団長のレポートはこちら

《データ》
■青森市森林博物館 017-766-7800 [保存] HP

◇青森県青森市柳川2-4-37◇青森 歩10◇9:00-16:00・月曜日,祝日休館・12-3月閉鎖◇入館料240円

《保存車輌データ》
◇01:大畑営林署 2028号 DL(協三工業 1961.07 50370番 D49-762型/B型 4.9t 762mm)
◇02:大畑営林署 あすなろ号 PC(青森運輸営林署 1953年/ボギー 762mm)
◇03:大畑営林署 FC(大宮富士工業KK 1958年5月 67番 T64 SL型/鋼製運材台車 762mm)
◇04:大畑営林署 FC(大宮富士工業KK 1959年3月 235番 T64 SL型/鋼製運材台車 762mm)

◇参考文献:TF322・RF485・RF555・全国保存鉄道2・鉄道廃線跡を歩くWp47・鉄道廃線跡を歩くY・全国軽便鉄道・RF666p43(2007.05)・RM326p55(2006.11.24)

[探索日:1986.03.22]



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