■手稲の小学校を探れ!

 札幌市の西側、小樽市との市境に近い星置駅から南西方向へ1km弱。緩やかな坂道を登った所に建つ手稲西小学校には空き教室を利用した郷土資料の展示室として「鉱山の部屋」が設けられている。ここは文字通り鉱山関係の資料を中心に展示されているが、その内容は隣接する手稲鉱山に関する資料である。
 手稲鉱山は昭和10年から三菱が鉱業権を得て本格的な採鉱を開始。昭和46年(1971年)に閉山している。一方、手稲西小学校は昭和11年に「手稲村立軽川尋常高等小学校手稲鉱山特別教授場」として設立され、昭和14年には手稲鉱山の方々の労力奉仕によりグランド完成したこと、昭和46年には手稲鉱山の閉山式も行われたことが小学校のホームページで紹介されていて、手稲鉱山との結びつきも強いことを表している。「鉱山の部屋」はこのような結びつきの強さから開設されたものであろう。
 「鉱山の部屋」は一般にも開放されている。見学は事前予約が必要で小学校の開校時のみ可能である。(申し込みは小学校へ直接電話をすればOK)2014年10月の北海道旅行の際、札幌泊だったので電話で見学を申し込んでみると意外とあっさりOK。車での訪問も少数なら大丈夫とのことだった。
 見学当日、車で校内まで乗入れ、適当な場所に車を停めた。校舎の入口は鍵が掛かっていて、インターホンで職員室に連絡すると開錠されるようになっていた。お目当ての「鉱山の部屋」と職員室は2階にあるので階段を上がり、ドアが開放されている職員室を覗く。氏名を告げると副校長先生らしき方が鉱山の部屋へ案内してくれた。(職員室の目の前でした)部屋に入るとDVDの操作方法を教えてくれて後はご自由に…、という感じだった。
 鉱山の部屋は普通の教室を使った展示室だった。まず目に付くのは坑道を模したセットだ。小学校らしく手作り感が大爆発だが鉱車は本物である。鋼製鉱車と木の台車のようなものがある。この木の台車は木製鉱車の足回りとの説明書きがある。トロの車軸も転がっているが車輪の厚みがなく、軸受が外のようである。他にも掘削用の機械や道具など、実際に手稲鉱山で使われていたものらしい。
 操作説明を受けたDVDを再生してみると、小学生が実際に手稲鉱山を見学した時の様子を収めたものだった。その中には実際の通洞口が映っていて、トロッコが残っている様子も確認できた。
 教室1室分の小さな展示室。30分程度で見ることが出来る小さい部屋だが意外と中身は濃い。札幌・小樽へお越しの際は是非立ち寄ってみて下さい。
 尚、手稲鉱山の鉱区は学校のすぐ横の区域だが立入は禁止されている。


《データ》
■手稲西小学校 鉱山の部屋 [保存]  旧HP
◇北海道札幌市手稲区金山3条2丁目8-60◇星置 歩20◇学校開校時(要予約)◇無料◇P(少数)
 
《車輛データ》
◇01:手稲金山 FC(鋼製鉱車 500mm)
◇02:手稲金山 FC(木製台車 500mm)

[探索日:2014.10.01]

参照:ブログ軽探団「LCCで北海道を探る その3」



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