■空知の酒造会社を探れ!

 JR室蘭本線栗山駅からほど近い酒造会社小林酒造が運営する「北の錦記念館」の館内と道路を挟んだ酒造場と倉庫付近に軌道跡が残っている。一般に開放されている上に、軌道跡が比較的大規模で転車台があったりトロッコが残っていたりでトロッコマニアの間でも有名なスポットだ。
 駐車場に車を停めて探索へ向かう。その駐車場の目の前には試飲ができる売店があったが、ここはグッと我慢してすぐ隣の「北の錦醸造元」と書かれた看板のある煉瓦の建物へ。北の錦記念館の入口である。中に入るとすぐに軌道跡が現れた。先の方へ目を向けると屋根のある通路上に軌道跡が真っ直ぐ延びていて、半分開いたシャッターの先まで続いているようだった。軌道の右手は煉瓦の建物が続く。記念館入口からシャッターまで50メートル弱くらいだろうか。
 軌道が続くシャッターの中を覗いてみると転車台の跡と思われる丸いコンクリート痕があって、その先に直進する軌道と左に直角に曲がる軌道があった。直進の軌道は立入禁止であった。
 左に曲がった軌道は扉から再び外に延びている。この扉が上の写真の左に写っている。こちらの軌道も真っ直ぐ50メートルくらい延びているが、その先は公道であった。軌道途中にも転車台があって直角に分岐する軌道上に台車が一台置かれている。これが確認できた唯一の車輛であった。
 公道の向こう側も小林酒造の建物だ。開いた門から一旦公道へ出ると同じように煉瓦製の大きな建物が見える。現在、醸造作業はそちらで行われている感じだった。中に事務所もあるようで郵便の配送車が停まり配達員が中へ入っていった。そして良く見るとその建物に沿って軌道が!こちらも直線の軌道が50メートルくらい。記念館から来る軌道とはほぼ直角の向きになるが、その交点あたりは軌道が無くなっている。かつては公道を越えて転車台で交差していたのだろうか?そのように想像は出来るが痕跡は無かった。醸造所の中は見学できないが醸造所側の軌道は公道に沿って延びているので記念館の見学時間外でも見る事ができる。
 記念館の入館料は無料。見学出来ない範囲はあるものの、軌道跡は十分に確認出来るので気軽に探索が楽しめる施設であった。


《データ》
■小林酒造(北の錦記念館) [廃線・保存] HP

◇北海道夕張郡栗山町錦3-109◇栗山 歩10◇10:00-17:00・10:00-16:00(冬季)・無休◇入館無料◇無料P50台
◇敷設日:不明◇廃止日:不明
◇記念館側 ◇残存区間:記念館内◇残存距離:約0.1km◇軌間:508mm
◇醸造所側 ◇残存区間:倉庫横◇残存距離:約0.05km◇軌間:508mm
 
《車輛データ》
◇01:小林酒造 FC(2軸台車 508mm)

[探索日:2014.09.29]




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